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最新情報 [研究日誌]

研究日誌の内容だけこちらに掲載していきます。
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最新記事は:
決着はつくのか?<大沢在昌『狼花 新宿鮫IX』>
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社会や会社の病巣です<上念司『日本経済を滅ぼす「高学歴社員」という病』>
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テレワーク・デー開催
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決着はつくのか?<大沢在昌『狼花 新宿鮫IX』> [本棚]

やっと数年越しに読み終わったという感じです。第1章を読んでからずっと本棚に「次に読む本」として並んでいました。

このシリーズは大好きです。設定も面白いですが、それぞれの話の情報が充実していて、毎回、よく調べているなぁと感じながら読んでいます。

作家だというと、関係者がいろいろ話を聞かせてくれるのだろうか、と思ったりします。

昔、米国の作家、トム・クランシーが初めての小説『レッドオクトーバーを追え』を書くのに十年を要したと読んで、作家になるには研究・勉強する時間もお金も必要だと理解しました。

しかし、複雑怪奇な現代では取材力或いはコネがとても大事だと思うようになりました。

金融小説も好きですが、やはりその世界の複雑な事情などを白日さらしているという点が「読み応え」に繋がっているように思います。昔は城山三郎、高杉良、最近では黒木亮などの作品が好きです。

さて、私の中では、未だに主人公「鮫島」のイメージは俳優・真田広之のままです。同じ年のテレビドラマ『高校教師』と合わせて、アクションスター或いはかっこいい主役からつらい過去を背負った主人公への転換点のように感じたからかもしれません。米国にいる間に何度か米国のドラマに出演しているのを見ています。

本作品については、そろそろ結末が見えるのかという期待もあり、宿敵ともいえる二人との対決も明暗が分かれました。警察の同期で何かとぶつかってきた香田、犯罪者で何度か取り逃している仙田。特に仙田の過去が面白い。

とうとう鮫島が主流を外される理由となった「爆弾」についての真相は分かりませんでしたが、米国の刑事ドラマなどでも時折、「上」までを巻き込む汚職のスキャンダルとか、警察官の犯罪を組織ぐるみで隠ぺいしたエピソードなどが描かれます。特に日本の警察は真面目なだけに組織として問題があることが明るみに出れば、日本の治安そのものの不安定化につながりかねません。

そうした事情から、キャリアであり、本来は警察自体を動かす立場になるはずだった鮫島の存在が独特の物語を可能たらしめているといえます。

また、インターネットの普及・定着、外国人犯罪の横行・増加、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(通称「暴対法」)の影響を受けた組・団体組織の収斂と経済活動の増強などが反映されている作品という意味では、現代にアップデートされた新宿鮫ともいます。警察も旧態依然としているわけではなく、こうした時代の変化に対応しようと変革を進めているものの、新しいタイプの犯罪への対応が遅れ気味となってしまうことは仕方がないのかもしれません。もちろん、これから登場するであろう犯罪を予測して制度と装備を揃えることなど不可能だろう。

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<本のデータ>
ISBN 978-4-334-74708-4
「狼花 新宿鮫IX」
大沢在昌 (著)
<内容紹介、BOOKデータベースより>
大麻所持で逮捕されたナイジェリア人の取調べにあたった鮫島は麻薬ルートの捜査に乗り出し、盗品を専門に売買する「泥棒市場」の存在を突き止める。この組織の背後には鮫島の宿敵、仙田がいた。一方、鮫島と同期でキャリアの香田は新設の組織犯罪対策部の理事官へ異動。香田は外国人組織の撲滅のため暴力団と手を組むことを画策していた。シリーズ最大の問題作。

2017/08/12<曇>
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